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報告メモ 「 ミニシンポジウム フェミニズムとDVと共同親権」

 報告メモ

ミニシンポジウム 「フェミニズムとDVと共同親権」 2022/04/05


共同親権研究会関西 共同代表 石井政之から問題提起


共同親権の法制度に反対する人たちのなかにフェミニズム運動家と、フェミニズムに影響を受けた人がいる。その人たちの政治活動の歴史を概観すべき。とくに以下の4項目について。

  • 男女雇用機会均等法
  • 北京女性会議
  • 男女共同参画社会基本法
  • DV防止法

フェミニズム運動、女性の権利のための政治活動の成果として、上記の3法律が制定された。画期的であるが、その反面、課題も残されている。

その課題が、国際問題になっている実子誘拐(拉致・連れ去り)の放置。共同親権が制度化されなかったこと。

離婚後に男女共同で、子どもを養育するためには、共同親権が不可欠だ、という視点がなかった。世界のほとんどが共同親権なのに、日本は単独親権制度というガラパゴス状態になった。

現在、共同親権に反対している人たちのなかには、上記の政治活動に参加した政治家、官僚、政党、学者、弁護士、その関係のNPO法人などが散見される。



共同親権研究会関西 共同代表 田中俊英から問題提起


私たちは暴力について語ったり、細かく丁寧に分析することに慣れていない。

(特に男性の方が慣れていないように思う。)

「フェミニズムとDVと共同親権」を語るうえでも、暴力についてもっと細かく分析し言語化する必要がある。

子の連れ去りも「未成年者略取誘拐罪」に当たり、DV・暴力であるということを、もっと言語化していく必要性。(子どもの立場、連れ去られた親の立場から)

男性に対しての既成の価値観のひとつにDVがある。男性をDV加害者、女性をDV被害者として既成概念が構築されている。

(実態としてはDVは男女ともあり、30代の被害者数は男性が女性を上回った)

共同親権が進まない理由の1つがこれ。

(注)共同親権制度導入後も、実際にDVがある場合は単独親権になる)

DV被害者に対して決め手となる支援がない

DVにおける共依存関係は「関係そのものを断つ」やり方では根源的解決はしなく(関係を完全断絶しても、別の関係性のところで反復する)、「共依存の自覚」と「(被害者側からの)定期連絡と、暴力の否定」がポイント


参考
ドメスティックバイオレンスは完全断絶(支援措置)ではなく、可視化された「共依存支援」で

https://tanakatosihide.hatenablog.com/entry/2022/03/12/063812




以下は参加者との意見交換memo



●SNSやマスメディアを通じて、過剰な被害者意識が増加している危惧

被害を言語化し問題を顕在化させることは大事なことである。

しかしながら、最近は過剰な被害者意識の植え付けが顕著だという指摘があった。

その植え付けは、本当にその人のためになっているのか。逆の結果になっていないか。

デマも含めた過剰な被害者意識の植え付け→雪だるま式の共感として間違った方向に広がることを懸念している。



●実子誘拐(拉致)問題を考えるとき、フェミニズムは本当に女性のためになっているのか、という疑問がある

フェミニズムは本当に女性のためになっているのかという意見があった。

最近のフェミニズムは自分の主張(共同親権に反対)を実現するための運動になっているのではないか。

また、離婚後は母がひとりで子育てをすることになりがちな単独親権下で、女性は子育てと仕事を両立させて活躍するということが現実的に出来るのだろうか。

(共同親権・共同養育の方がより活躍できるのではないか。その議論がほとんど出てこないのは何故なのか)

<参加者 Kさん>

●子を連れさられた女性当事者を支えないのはなぜか。

連れ去り(実子誘拐)被害者は男性だけではない。女性が連れ去り(実子誘拐)被害者だったり家から追い出されたりする中、女性支援団体の在り方として助けるべきだと思う。しかし、支援を断られているという話もある。

女性被害者がいると自分達の論理(DV男性から逃げるための子の連れ去り)が崩れるからスルーしているのではないか。
でも、それは問題を隠蔽しているということになると考える。
自分達の主張(単独親権)を強固にしてくれる当事者しか救わないのであれば、当事者を利用しているということになる。
<参加者 Kさん>



以上


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